フッ化物の利用方法

フッ化物歯面塗布(フッ素塗布)

赤ちゃんから始めるむし歯予防

  • 市町村の保健センターや歯科医院で受けることができます。
  • 歯が生え始めの1歳頃から定期的に年2~6回程度塗布を受けると効果的です。
  • 塗布後は効果を高めるために30分間くらいは、飲食やうがいは避けます。
  • 歯ブラシで塗布する方法は1~2分間の簡単な処置です。その他に綿球やトレーを使って塗布する方法があります。
子どもの歯に歯ブラシでフッ化物を塗っている様子の写真

歯ブラシで塗る方法
(この他に綿球やトレーを使って塗る方法があります。)

乳歯むし歯の予防に大きな効果

新潟市と阿賀野市の乳歯むし歯の予防に関わるグラフ

Aは、新潟市内でフッ化物歯面塗布を1歳6か月から3歳6か月まで、6か月間隔で計4回実施したことによる成果を示したものです。フッ化物歯面塗布を6か月間隔で実施した子どもは、全く実施していない子どもに比べ43.7%むし歯が減少しています。

Bは、笹神村(現在、阿賀野市)で、10か月児から2か月間隔でフッ化物歯面塗布を実施したことによる成果を示したものです。事業実施前と実施後ではむし歯のない子どもの割合が2.9倍増加しました。

フッ化物洗口(フッ素洗口)

みんなで一緒に行うむし歯予防

  • 大人の歯(6歳臼歯)が生え始める4、5歳ころから永久歯が生えそろう中学生くらいまでに行うとむし歯を約半分に減らすことができます。
  • 特に前歯のむし歯予防に効果的です。
  • 小さなむし歯ができても進行しにくくなります。
  • 保育所、幼稚園、学校等で行うと継続しやすくより高い効果が期待できます。
  • 家庭でもできますので歯科医院にご相談ください。
教室で子どもたちがフッ化物洗口をしている様子の写真

方法

  • 洗口液を7~10ミリリットル口に含み1分間ぶくぶくうがいをします。
  • 液を吐き出した後は、効果を高めるために30分間は飲食うがいを避けます。

週1回法(0.2%フッ化ナトリウム溶液)…主に小・中学校で
週5回法(0.05%フッ化ナトリウム溶液)…主に幼稚園・保育所で

フッ化物洗口の効果

フッ化物洗口は、むし歯を半分以下に予防します。 《4歳頃から中学校卒業時まで続けることがポイントです!》

フッ化物洗口経験別にみた一人平均永久歯むし歯数
一人平均永久歯むし歯数のグラフ
フッ化物洗口実施市町村の12歳児一人平均むし歯数は、未実施市町村の約半分
フッ化物洗口実施状況別 12歳児一人平均むし歯数の比較(平成17年度)のグラフ

※全保小実施及び未実施市町村は、旧市町村単位の集計(110市町村)

フッ化物洗口を新たに実施することにより、むし歯は次第に減少し、以前から実施していた市町村と同じレベルまで減少します。

フッ化物洗口実施有無別にみた一人平均むし歯数(12歳)の推移のグラフ

フッ化物洗口終了後もむし歯予防効果は続きます。

20歳の歯科健診のグラフ

4歳児からフッ化物洗口を行った牧村の20歳の人達の一人平均むし歯の本数は、フッ化物洗口を行わなかった20歳の人達や全国平均の約2分の1以下でした。

フッ化物洗口は費用対効果に優れた方法です。

市町村別10〜14歳児の一人当たりむし歯治療費のグラフ

フッ化物洗口を長期間実施した市町村では、子ども一人当たりの歯科治療費が低い傾向にあり、未実施市町村の約半分です。

経費・歯科医療費のフロー図

フッ化物洗口は、保育所、幼稚園、小学校及び中学校の集団生活の場で実施することが重要です。

継続性が保たれます
  • 家庭では何年(11年)にもわたり毎日実施することは困難であり、集団生活の中に位置づけ実施することにより、確実に継続することができます。
  • 市町村等の適切なサポート体制により、実施することが重要です。
実施している施設内のすべての子ども達に効果が表れます
  • 多数の子どもを対象に容易にでき、その施設内すべての子ども達が、実効あるむし歯予防を受けることができます。
学校・園における保健活動全般の活性化を促します
  • 自分の歯と口の健康全般に対する関心と理解を深めることができます。
  • 歯科保健に対する保護者の理解と協力が高まります。

フッ化物洗口の安全性

 すでに、むし歯予防のためのフッ化物利用の安全性と有効性は、国内外の専門機関により何十年にわたって研究され、検証されています。WHO(世界保健機関)をはじめ、厚生労働省、日本歯科医師会等、国内外の専門機関が一致して推奨しています。

 フッ化物利用の安全性を理解するポイントは2つ。
「質」「量」の面から考えることで安全性を理解できます。

「質」からみるフッ化物の安全性

 そもそもフッ化物は自然界に広く存在する物質で、私たちは日常生活の中で飲食物とともに常にフッ化物をとっています。むし歯予防に使われるフッ化物も、日頃とっている天然の海産物やお茶などに含まれるフッ化物と全く同じものです。

「量」からみるフッ化物の安全性

 フッ化物洗口の後に口の中に残る1日当たりのフッ化物の量は、紅茶や緑茶1~2杯に自然に含まれるフッ化物の量と同じであり、安全な量です。

フッ化物洗口の後に口の中に残る1日当たりのフッ化物の量は、紅茶1~2杯に含まれるフッ化物の量と同じという説明をしているイラスト

 また、フッ化物洗口は、身体が弱い人や障害をもっている人が特に影響を受けやすいということはありません。アレルギーの原因となることもありません。
 通常の方法で行えば、極めて安全ですので、安心してご利用いただけます。

詳しく知りたい方は、こちらをクリックしてください。

「フッ化物洗口マニュアル」はこちらからダウンロードできます。

フッ化物配合(フッ素入り)歯磨剤

誰でも簡単にできるむし歯予防

子どもから大人まで利用できる手軽なフッ化物応用法です。大人でも、歯の根の部分、一度治療したところからむし歯になることがあります。

効果的な使用方法

使用回数
  • 毎日の歯磨きで使用すると効果的です。
  • 食後や就寝中はむし歯が発生しやすい環境です。
  • 少なくとも「朝食後」「就寝前」の1日2回は使用しましょう。
  • 特に「就寝前」が効果的です。
1回の使用量
  • 自分の口に合う大きさの歯ブラシを選び、植毛部の半分程度の歯みがき剤を使いましょう。
小児用の歯ブラシに0.5グラムの歯みがき剤がついている写真

小児0.5グラム

成人用の歯ブラシの植毛部の半分程度に歯みがき剤がついている写真

成人

歯間ブラシにフッ素入りの液状歯磨き剤をつけているイラスト
  • デンタルフロスや歯間ブラシに液状やフォーム(泡)状の歯みがき剤をつけると、歯と歯の間のむし歯予防に効果的です。 
使用後のうがい
  • 少量の水(コップ1/3くらい)でうがいをします。
  • 過度のうがいは口の中に保持されるフッ化物が減ってしまうので避けましょう。
購入方法
  • 日本の歯みがき剤では86%(2002年)の製品がフッ化物配合です。スーパーや薬局で購入することができます。
  • パッケージに「フッ素入り」「フッ化物配合」と分かりやすく表示されているものと、薬用成分の欄に下記のいずれかが書いてあるものを選びましょう。
    「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)」
    「フッ化ナトリウム(NaF)」
    「フッ化第一スズ」

水道水のフッ化物添加(フロリデーション)

  • 水道水中に含まれるフッ素イオン濃度をむし歯予防のために適正な濃度に調整する方法です。
  • 日本では、まだ実施されていませんが、世界の約60か国以上(4億5百万以上の人々)で実施されています。(フロリデーション・ファクツ2005より)
  • 歯が顎の中でつくられている時(形成期)にフッ化物を体に取り込み、内側から歯の質を強くする方法です。

フッ化物の基礎情報・最新情報等の資料がダウンロードできます。 

この記事に関するお問い合わせ先

健康づくり支援課 歯科保健係

住所: 950-8570 新潟市中央区新光町4番地1
電話: 025-280-5934 ファクシミリ: 025-285-8757

更新日:2019年03月27日